ワインと羊羮と上質な音楽
ノンスタンダードの響き~銀河鉄道の夜を聴く~
2019年9月23日(月・祝)バング&オルフセン日本橋で、ワインを飲みながら上質の音楽を聴く、という音楽好きでワイン好きな大人をターゲットにした面白いイベントが行われた。ナビゲーターに鈴木惣一朗氏を迎え、「90rooms」と呼ばれる世界で最も高度なバング&オルフセンのデジタルスピーカー『BEOLAB 90』のある空間で行われたこのイベントの第一部は、昨年鈴木氏が監修した『銀河鉄道の夜・特別版』より「エンド・テーマ 銀河鉄道の夜」「ジョバンニの透明な哀しみ」「プリオン海岸」など、アニメ映画「銀河鉄道の夜」のサウンドトラックとして1985年に細野晴臣氏が創った楽曲の中から6曲を抜粋して試聴。990万円という超高級スピーカの音色は、この部屋にいる人全ての耳に良いバランスで届くよう設計されている。さらに、鈴木氏監修の元リマスタリングされた音は、どんなに大きな音で聴いてもうるさく感じない。アニメ「銀河鉄道の夜」のファンも、細野晴臣の音楽ファンもそれぞれ体を包み込むような心地良い音に身を委ねながら、音楽と鈴木氏が語る貴重なエピソードを楽しんだ。
第一部が終わると、宮沢賢治にちなんで選ばれた岩手県のぶどうで作ったワイン3種類が振舞われた。しかもその中の一つは「イエローマジックワイナリー」という山形のワイナリーで作られたワインで、細野氏の音楽に対する主催者のリスペクトも伺わせてくれた。また、同時に振舞われた「ジャズと羊羮」という鍵盤がデザインされた羊羮も絶品で、羊羮の中のイチジクの塩気も、羊羮自体の甘みも、正直「ワインに羊羮はないだろう」と思っていた筆者の不安を見事に裏切るような素晴らしいマリアージュであった。
参加者がワインと羊羮を楽しんだ後の第二部では、やはり鈴木氏の監修により今年3月にリリースされた「ノンスタンダードの響き」(細野晴臣氏が1985年に立ち上げたレーベル「ノンスタンダード」のセレクトアルバム。未発表音源を含むCD4枚組+豪華ブックレット)からミカド、ピチカート・ファイヴ、コシミハル、アーバンダンス、そして鈴木氏が所属したワールドスタンダード他全6曲を試聴。当時のレーコディングの様子など、鈴木氏からまたしても貴重なエピソードが生き生きと語られて、これも参加者を喜ばせてくれた。ワインと羊羮と上質な音に包まれて過ごした贅沢な2時間、気分の良い初秋の1日を過ごすことができた。
<本日の音楽>
第一部
エンド・テーマ「銀河鉄道の夜」
ジョバンニの透明な哀しみ
プリシオン海岸
晴れの日
イメージ・ソング「銀河鉄道の夜」(デモ・ヴァージョン)
主よ、みもとに近づかん<賛美歌(プロテスタント)320番>
第二部
Non-Standard Mixture/細野晴臣
冬のノフラージュ/ミカド
アクション・ペインティング/ピチカート・ファイヴ
バラのエミリア/アーバンダンス
アヴェ・マリア/コシミハル
太陽は教えてくれない/ワールドスタンダード
<本日のワイン>
岩手・エーデルシルバー「赤沢メルロ2015」
岩手・紫波「メルローロゼ」
山形・イエローマジックワイナリー「オルタナティブ・ルージュ2018」
<本日のスイーツ>
ジャズとようかん ジャズ羊羮CLASSIC